「残業をしなきゃ日本の質は下がる!」セブンコード濱野社長の発言は是か非か。

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こんばんは。さるぼぼ母です。


12月19日にTBSの情報番組「好きか嫌いか言う時間」に出演した株式会社セブンコードの代表取締役社長 濱野秀昭氏のこの発言をめぐって、Twitterでは話題になっているようです。「ブラック企業」を自称(?)しているこのセブンコードという会社が何をやってる会社か知らなかったので、ググってみたところ「Web運用代行」とか「経理代行」とか「電話代行」とかを事業内容にしている会社なんですね。


HPを確認してみると、「社畜」と背中にデカデカと書いた社員らしき人の写真をはじめ、「ブラック企業代行」とか、「社畜の連載」とか、ものすごいです。ブラックとか社畜とか、忌み嫌われる言葉をキャッチフレーズにしているのですね。


会社の待遇については、給料は激安(新卒で18万、優良ホワイト企業は30万)、残業青天井、ボーナスは0!?...などとメチャクチャな労働環境。社畜(社員)のブログには大量に社員が辞めていく、と書いてありますが、これでは仕方がありません。いや、こんな待遇なのに社員がいること自体が驚きですが.(汗)。


事業内容の「Web運用代行」なんて、24時間戦えますか?の世界、でしょうから、9時5時とかで終了してたら、商売になるわけないので、経営者としては、そういう発言は当然なのでしょう。


というか、この企業のコンセプトは「社畜代行」なんですから。こういうコンセプトで経営している企業の社長がこういう発言をすること自体、もうプロモーションの一部でしかないので、是か非かを問うこと自体が馬鹿げているのですが。ま、全面的に良いというわけではないですが、ユニークで面白いコンセプトですね。他人事ですが。


この方の発言の真意はさておき、そもそも残業は悪か、ってことを考えてみたいと思います。


残業を奨励しているような発言をすると、先日の電通過労死ではありませんが、当然のようにそれに真っ向から否定する意見が噴出します。まあ、誰もが残業なんてしたくないわけですし、残業を奨励する会社なんて「ブラック企業」なわけですよ。今の日本では。


基本的に、どんな企業であっても、経営側からすれば、就業時間内で「成果=利益」を出してもらえばこんな良いことはないはずです。だって、残業すれば電気代を始めとした設備費だって、もしかすると残業代だってかかるわけですから。残業なしで素晴らしい利益を出してくれれば、まったく問題ない。


しかし、残業せざるを得ない理由はいくつかあります。


まず、個人の力量の問題。


たとえば「一冊の本を読んで、それをリポートにまとめなさい」と言われた場合、1時間で読める人と、5時間かかっても読めない人、まとめるのに1時間しかかからない人と、5時間かかってやっと終わる人と個人差があります。当たり前ですよね。同じ時間だけ「勉強」しても同じ点を取れないのと同じです。


点数の話はほとんど「成果=利益」に置き換えることができます。同じ時間だけやっても「成果=点数」に違いがあるように、同じだけの成果を出すには、(労働)時間は関係ないわけです。ホワイト企業で残業がないとすれば、まず、残業するほど時間を使わなくても成果を出せる(優秀な)人材がやっている、ということがあります。社員の質の話です。

(それとは別に本人が好きでやってる、という場合もありますね。それはここでは置いといて)



もう一つは経営側の問題。


同じ利益を出すのに単価が低い、成果が出にくい労働力を(余計に)必要とする事業で経営をしている場合、長時間労働はデフォルトになります。当たり前です。労働時間を長くしないと利益が生まれない。利益が生まれないから社員の報酬は低くなる。いわゆるブラック企業のはじまりです。また、優秀な人材がいたとしても経営側のマネジメントや教育が適切にされてない場合、効率は下がりますから、当たり前のように、利益を出すためには労働時間に集約されるわけです。


つまり、残業=悪ブラック企業=悪、という図式は最初から、こういった問題や条件を無視した論理であって、このように単純な図式で語るのは無理!同じ土俵で語るべきではないでしょうね。


「日本の質が下がる」元凶はこういった三段論法だと思う。


経営側からすると、残業せずに成果を出してくれれば御の字なのに、残業もせず、成果も出さず、義務(成果)は果たさず、報酬(権利)ばかりを主張する社員は給料ドロボーです。雇ってるんだから、給料は払われるのが当然、という主張とは真っ向から対立するのは当たり前。


ですが、残業を忌み嫌う社員ばかりが成果を出さずに権利ばかりを主張すれば、会社は利益を上げられない、そういった人や会社が増えていけば、イコール、日本の質が下がる、という論理は三段論法過ぎて飛躍しすぎででょう。


むしろ、残業や成果の問題は、社員だけではなく、経営側の問題としても考えるべきところを「金払ってるんだから言うこと聞け」となり、言われる方との話がまったく噛み合わないだけでなく、建設的で発展的な解決策が生まれないところが、「日本の質が下がる」元凶なのではないでしょうか。



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