こんにちは。さるぼぼ母です。
ただの「歌」ではない高度なパフォーマンスだったPerfumeのステージ
昨年度末の紅白で私が印象に残ったのは、ダントツでPerfumeのパフォーマンスでした。Perfumeをただのテクノポップのグループと認識している方も多いと思いますが、今や全世界でも人気のアーティストとして昨年北米で行われた6th Tour 2016 「COSMIC EXPLORER」も大成功だったようですね。
今回の紅白でもPerfumeの振り付けと演出を担当したのが、リオの閉会式でも振り付けと演出を担当したMIKIKOとRhizomatiks(ライゾマティクス)だそうです。歌唱力やその年にお茶の間で人気だった歌手を選出した紅白出場メンバーの中でも、Perfumeのパフォーマンス(決して歌ではない)は異色の存在であり、新しい音楽のあり方を提案するものだったように思います。
一枚絵のように錯覚させるようなトリックアートを連想させるデジタルアートを、3人の衣装に取り付けたセンサーで動きを即時に取り込んでLEDに反映させるというもので、2014年のドローン連動、2015年の仮想空間を現実空間と連動させるという試みに続き、今回も音楽と振り付けとテクノロジーが一体となり、ステージ全体が完成されたひとつの映像体験となって、見るものを圧倒したように思います。テレビで観ていてもそう感じるのですから、会場で実際に体験したら相当インパクトがあったのではないでしょうか。
振り付けを担当したMIKIKOさんてどんな人?
今回、振り付けを担当したMIKIKOは、前述のとおり、リオの閉会式での振り付けを担当したことで話題になった振り付け・演出家です。最近では「逃げ恥」で一躍そこらじゅうで話題となっている「恋ダンス」の振り付けも担当。
もともとずっとPerfumeの振り付けを担当している方で、Perfumeとの付き合いは本当に長く、Perfumeのメンバーが11歳の頃から指導していたようです。同じ広島県出身で、アクターズスクールでダンスを指導、2005年にNYに留学しています。
その後もPerfumeを海外から指導しながら、2008年に帰国。
以後ずっとPerfumeの振り付けほか、たくさんの話題作の振り付けをしています。MIKKOさんの演出作品をいくつかご紹介するとこんな感じ。
- Perfume 『チョコレイト・ディスコ』(2007年)
- RIP SLYME 太陽とビキニ』(2008年)
- BABYMETAL 『BABYMETAL WORLD TOUR 2014』(2014年)
- ゲスの極み乙女。 『ノーマルアタマ』(2014年)
- レディー・ガガ 「LADY GAGA’S artRAVE: the ARTPOP ball」オープニングアクト『初音ミク×ELEVENPLAY』(2014年)
- リオ 閉会式 トーキョーショー(2016年)
- 星野源 『恋』(2016年)
他にも福山雅治のライブや、椎名林檎の2015年の紅白など、意外なトップアーティストや話題作を手がけてるんですね。BABYMETALといい、星野源といい、Perfumeといい、今後もMIKIKOさんの振り付けに注目していきたいと思います。
演出を担当したRhizomatiksってどんな集団?
では、今回のテクノロジーの演出を担当したRhizomatiks(ライゾマ)とはどんな集団なのでしょう?
ライゾマは代表の真鍋大度さんが率いる集団で、「テクノロジー×ヒューマニティ(人間性)」をテーマに多くの実験的試みを行っています。ライゾマはプログラミングとインタラクションデザインを駆使して研究開発を重ねながら、さまざまなジャンルのアーティストとコラボレーションを行っています。
一緒にコラボレーションしているアーティストはPerfume、サカナクションやきゃりーぱみゅぱみゅ、ビョークなどの国内外に及びます。アーティストだけでなく企業とのコラボも実現し、扱う技術領域は機械学習、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、はてはAIやディープラーニング(深層学習)までを視野に入れ、「テクノロジー×ヒューマニティ」というテーマを実現させる試みを模索しているようです。
ただ、アーティストのステージを演出するのではなく、たとえば「Perfume JPN ツアー」の演出では、映像とダンスの研究を行ったそうです。単にテクノロジーを駆使して、アーティストの作品にテクノロジーを付加するのではなく、肉体と映像という観点を徹底的に研究しつくして、総合芸術として一体となった演出を目指しているからこそ、突出した演出とインパクトを観客に与えるのでしょう。
今後、AI技術やディープラーニング、VR、ARなどがどのように音楽やアートとコラボレーションしていくのか、ライゾマの活躍とPerfumeの今後のパフォーマンスにも注目していきたいと思います。
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