
こんばんは。さるぼぼ母です。
NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』の第7話「検地がやってきた」のあらすじと感想をご紹介したいと思います。
(ネタバレが含まれますのでご注意ください)
直親の帰還を許してもらうための井伊の検地が行われることとなる。
次郎法師(柴咲コウ)は井伊の行く末を考え、井伊直親(三浦春馬)との夫婦約束を断った。その後、直親は奥山朝利(でんでん)の娘、しの(貫地谷しほり)との祝言を挙げたのであった。
托鉢をする次郎法師。直親の笛の音が聞こえる。次郎が直親と共に打つはずだった鼓は、しのが叩いていた。
駿府今川。新野佐馬助(苅谷俊介)は今川義元(春風亭昇太)に井伊直親帰参と家督相続について許しを請うていた。井伊の姫と添わせるつもりか、という今川の家臣に対し、佐馬助が奥山の娘と添わせることを告げると、今川は井伊の検地を行うという。検地とは、近世にかけて行われた田畑の面積と収量の調査のことである。
井伊に戻って検地のことを告げる佐馬助。直親の帰参のお咎めもないなら、還俗も頼めば良かった、川名を検地などされたら、血の雨が降ることになる、と吐き捨てた井伊直平(前田吟)は烈火の如く怒っていた。
「爺々さまは、なぜあそこまで検地を嫌うのですか?」という直親の質問に、井伊直盛(杉本哲太)は「爺々さまの治めておる川名には、隠し里があるのだ」と答える。検地が行われれば、「指出」という書類を提出する必要があるのだ。「指出」とは、上の要求に応じて提出される領内の耕地・領民などの関係書類を意味する。
「一度、川名を見に行ってもいいですか?」と許しを請う直親だった。
検地が行われることになって、井伊は慌ただしくなっていた。直親は直平と共に川名に出向いていった。
「ここからは馬は入れぬ」と直平が入っていく後を直親がついていくと、
その先には見事な田畑と開けた土地があった。
「これは見事な」と驚く直親に
「もしもの時に井伊の民が逃げ込む土地じゃ。この土地は今川に追い込まれた時に隠れ住んで時を待った。ここがなければ井伊は滅んでいたかもしれぬ。文字通り最後の砦なのだ。今川は強いし今は井伊は安泰だが、これがいつまで続くか誰にも分からん。もし何かあったら、一体誰がこの井伊を守るというのか」と語る直平だった。
川名の隠し里を隠し通すことを決めた直親は次郎に助けを請う。
それを聞いて直親は決心し、直盛に話をした。
「この隠し里を隠し通しましょう。今まで隠し里のことは指出に書かれていません。今川が井伊を検地するのは今回がはじめて。お役人はあそこまで足を伸ばさないでしょうし、何なら役人を丸め込む、という手もあります。今回検地が行われるのは、某(それがし)の帰参を許すためです。この私に検地のことをお任せください」そう直盛に頼み込む直親。
忙しそうに出かける直親をしのは暗い表情で見送った。
直親が向かった先は龍潭寺の次郎法師のところだった。次郎に検地の件、そして川名の隠し里を隠し通すことを伝えた上で、頼みがあるという。
検地でやってくる方々を子供の頃より知ってる知り合いが次郎にいると聞いたが、好みのもの、困ってること、弱みを聞いてもらってほしい、と頼む直親。次郎には思い当たる人がいた。今川にいる瀬名(菜々緒)である。
「井伊のために手を尽くしてほしい」と頼む直親に「やってみる」と答える次郎法師。「恩にきるぞ、竜宮小僧。よろしく頼む」という直親。
寺を直親が去ると「我は竜宮小僧か」とつぶやく次郎法師であった。
瀬名に文を書こうとする次郎法師だが、どう書こうか迷っていた。一方、
しのは直親に寺に行ったことを問いただす。次郎の元に行ったことを気にしているのだ。しのの心配をよそに直親は「明日からしばらく留守にする。爺爺さまと一緒に川名に行くことになる」と話すと「お忙しゅうございますな」としの。不服そうなしのの顔に怪訝な顔をする直親だが「お役目にございますから」と不満を隠すしのだった。
直親は川名に向かい、隠し里の隠蔽工作をしていた。
一方、井伊では今川の目付役である但馬守小野政次(高橋一生)の指揮のもと、検地の準備が着々と行われていた。
井伊家の家臣中野直由(筧利夫)は政次の様子が気に入らない。「正直に指出を提出しないとより厳しくされ、小野の力が増すばかり」と皮肉をいう政次に「今川にばかり尻尾を振りおって」と苦々しく言うのであった。
直親が心待ちにしている瀬名からの文はなかなか届かない。「政次にはこの話をしたのか」と尋ねる次郎。政次が隠し里を隠し通す計画を賛成しているかどうかを心配していたのだ。
「鶴には俺と同じように思うてるところがあると思ってる。以前から己の父親のようにはならない、と思っているように感じていた。だから、そこにかけてみようかと思う」と直親は語る。
「甘いか?」と聞く直親に「我もそう思う」と次郎法師。
報告を偽るように政次に頼む直親。怒りを隠しきれない政次。
川名の指出を持って政次に会いにきた直親は、指出を政次に渡す。
「拝見します」と指出に目を通した政次は「隠し里のことが書かれていない。なにゆえ、分けたのですか?」と聞く政次。直親は川名の隠し里について書かれた指出を別に分けてあったのだ。
「川名の隠し里の事は隠しておきたいのだ」と直親。
「今川の目付けである鶴には、これが今川に反する行為となるだろう。もし発覚したら、井伊も鶴を守り通すことは難しいだろう。今川もまた小野を駒としか考えてはおらぬ。もし、鶴が隠すことに加担したくないなら、この指出を付けてくれ。でも、隠し通すことに賛成してくれるなら、これを破り捨ててくれ。俺は鶴の判断に従う」と告げる直親。
直親が帰った後、弟の玄蕃は怒りを露わにしている兄に言った。
「小野をあのように思いやってくれた方は初めてではないですか。なぜ兄上は怒ってるのですか」
「先回りしおった。あやつは俺の了見を見越した上で言いおった。俺に決めろ、と。無償に腹が立つ」
怒りではちきれんばかりの政次に対して「直親さまは兄上を信じておられると思う。井伊のためを思ってくれている、と。竹馬の友とは良きものでございますな」と玄蕃は言うのであった。
翌日、政次は直親に今川への指出をまとめたものを携えて城にやってきた。指出をあらためる直親。そこに隠し里の分は入ってなかった。
「隠し里の分は破り捨てました」という政次に「恩にきる」と言う直親だった。
検地当日、検地奉行・岩松は厳格に井伊の土地を調べていった。
いよいよ検地の日がやってくることとなった。
次郎は井戸の前で指出を見つめる政次に「めずらしいな。神頼みか?」と話しかけると「俺の思うように事が運ぶようにな」と政次。その言葉になぜか不審なものを感じる次郎だった。
今川家家臣、検地奉行・岩松(木村祐一)がやってきた。隈なく検地を行う岩松。何事も起こらぬよう心配して付き添う直親たちに対し、
「領内の絵図を見せろ」という岩松。さらに縄を取り出して、田畑の寸法を正確に測ろうとする。少しの狂いも許されなかった。
井伊の検地が終わった夜、食事をするが酒は断る岩松。明日は遠くまでわざわざ川名に行くという。取り付くしまのない岩松だった。
その夜、直親は次郎の元に出かけていった。瀬名からの便りについて尋ねるがまだ文は届いてない。
次郎は政次の言った「俺の思うように運ぶように」という言葉が気になっていた。
「まずいことになってるのか?政次が今朝井戸の前で『俺の思うように事が運ぶように』と祈願していたが、二人の考えは同じなのか?」と尋ねる次郎。
「政次は隠し里は報告せぬ、と言っていた」と答える直親に
「私の取り越し苦労だったな、すまぬ、忘れてくれ」と告げる次郎だった。
小野の屋敷。政次と玄蕃。
「そこまで厳格だとごまかし切れぬかもな」と弟に話す政次の元に次郎がやってくる。
「こたびの検地は亀の味方をしてやってくれ。亀は鶴の事を信じておる。その気持を裏切らないでくれ」と頭を下げて政次に頼む次郎。
「亀に言われてやってきたのか?」と尋ねる政次に対し、
「亀の役に立ちたいのだ」と答えると、
「では、還俗して俺と夫婦になってくれるのか?俺はあいつのせいで二度もいい話を不意にしている。一度は次郎さまと夫婦になるところ、次郎が出家した。その後もあいつが戻ってきて、城の後継ぎとなるのを取り下げられたんだ。味方になるのはやぶさかではないが、俺は俺でもう取りっぱぐれはごめんだ」と冷たく言い放つ政次。
瀬名からの手紙がやっと届いた。そこに書かれていたことを見た次郎が行ったこととは。
その頃、南渓和尚(小林薫)が瀬名の文を携えて駿府から戻ろうとしていた。その夜、次郎は小野の屋敷しか帰ろうとしなかった。
心配する玄蕃に「ほっておけ、明日になれば諦めるだろう」と政次。
翌朝、次郎は急いで城に行き政次と直親の姿を探したが、すでに二人は川名に検地に立った後だった。
そこに南渓和尚が「駿府で急ぎじゃ、と預かったものだ」と瀬名からの文を差し出す。
「来た!」と喜ぶ次郎。
「馬を借ります。直親を助けに参ります」という次郎の言葉に涙するしのを見た千賀は驚いていた。
瀬名からの手紙には見地奉行の岩松が変わり者で、誰に好みを尋ねても知らぬ存ぜぬということが書いてあった。しかし、変わり者同士は気が合うらしく、何とあのぼんやりした竹千代(阿部サダヲ)と仲がよかったのである。三河のぼんやり竹千代が申すには、岩松さまがこよなく愛すのは数と算術、亡くなられた奥方さま、と書かれていたのである。
岩松を連れてきたと勘違いして政次に怒りを露わにする直平。ざっと検地をしたかに見えた岩松に「こちらのみです。岩松殿、さあ参りましょうか」と終了を促す直親だったが、ふいに岩松が隠し里の方に向かっていく。直親がこちらに何もない、と岩松を止めようとするが、どんどん奥まで入っていき、ついに隠し里を発見してしまう。
指出に一切記載されていない棚田について咎められる直親。
「これはこの井伊の里ではないのか?」と岩松。そこに駆けつける次郎。
「我らを謀られようとしたのではあるまいな?」と問い詰める岩松に対し、「この里は井伊のものではありません。ゆえにこの里は指出に入っておりません」と答える直親。
「では、この里はどこのものだ?」と尋ねる岩松に対し、答える代わりに
「但馬。この里は井伊のものではないのだろう? 指出を渡しても何も言ってはおらなかっただろう?」と政次に迫る直親。
一瞬驚きを隠せなかった政次だが
「ここはかつて南朝の巫女様が隠れてお住いになられていた里。井伊の領地でありながら、井伊の領地にあらず、という扱いであります」と岩松に語る。
馬で駆けつけた次郎だったが、政次と直親によって事は治まったのである。
それを聞いた岩松は「心得申した」と語る。
政次と直親によって、隠し里を守ることができたのである。
次郎法師の前に来た岩松が尋ねた「この御方は?」。
「この方は龍潭寺の僧にござる」と直親がいうと「何をしにきたか?」とさらに尋ねた。次郎は言った。
「駿府の瀬名姫様より、本日は岩松様の奥様の月命日だとお聞きしました。私で良ければお経を挙げさせていただければ」と語り、川名の隠し里に向かって経を読んだ。
「これは、妻も喜んでいるでしょう」と笑顔で語る岩松。
事は完全に治まったのである。
戻ると南渓和尚が次郎に尋ねた。
「では、向かったものの、事は治まっておったのか?」と。
「はい。私が行くまでもありませんでした」という次郎に対し、
「目に見えぬところで何かの役に立ってるかもしれないし」と和尚。
「だといいのですが」と答える次郎だった。
破り捨ててなかった隠し里の指出を直親に差し出す政次。
「これをどうするつもりだったんだ」と聞く直親に「答えは直親さまが決めてください。それがしを信じているフリをされるのは気分が良いものではありません」という政次。
「井伊を守るのはおとわのためだとは考えてもらえぬか? 井伊のために全てを捨てたおとわのために共にこの国を守っていこうとは思えぬか?」
という直親に対して「お前のそういうところが好かん」と言い放つ政次ぐであった。
夜、井伊の城で直盛は直親に対し、しのと一緒に山向こうの村に移るように伝えていた。なぜ?と驚く直親に対し、
「目と鼻の先に次郎がいればしのに酷だと思う」と語る千賀。
次郎さまとは男と女の関係ではない、と語る直親に対し、
「男と女でなくともあなたと次郎の間には強い絆があるでしょう」と千賀。直盛も「早く子を作れ、しのとの間にも強い絆ができるだろう」と言うのであった。
直親としのが山向こうの村に移ることを次郎に話す直盛。
「お前も来やすくなるだろうから、たまには母上に顔を見せてくれ」
この後しばらくして、玄蕃にしのの妹のなつ(山口紗弥加)が輿入れした。今川にパイプのある小野との繋がりを強固にしようとする井伊の思惑であった。
駿府では、三河の旧領主である松平を取り込むべく松平元信(竹千代・のちの徳川家康)と瀬名が縁組されることとなった。うれしそうな竹千代と不服そうな瀬名だったが、このぼんやりとした男が、やがて今川、井伊の命運を担うことになるとは誰も知るよしがなかった。
(第7話終わり。つづく)
さるぼぼ母の感想
また長くなっちゃいました(大汗)。あらすじじゃなくて詳細な解説となってしまってますが、今回とても面白かったでです。
次郎を巡って対立する二人の関係、どのように政次が直親に対して感じているのかを知ることができる回でした。リーダーたる素質を持った直親と、番頭的な二番手で策略家である政次という対照的な二人が印象的でした。陽と陰といった役どころなんでしょうね。
次郎に対する二人の態度も、政次が単刀直入に次郎に自分の妻になるか、と怒りに任せて告げるところなど、気持ちの高ぶりを感じます。小野はやはり小野なのかと思いきや、なぜか弟の玄蕃はいい人役のようですね。
また、瀬名と竹千代が出て来ると、なぜかコミカルになるところも面白いです。この二人が夫婦になってどういうことが始まるのか、おそらく物語の中心になっていく、というのが伺い知れる展開です。阿部サダヲさんも菜々緒さんの演技もとてもいいので(「A LIFE」も出てますね、冷たい感じが結構いいです)とても楽しみです。
そういえば、前回書くのを忘れてしまいましたが、音楽がちょっとジブリっぽいです。全体を通しておとぎ話を意識しているのかな? あまりに似すぎているフレーズもちらほらあり、若干大丈夫なのかな?と思ってしまいますが、「竜宮小僧」というのがキーワードとなっているこのドラマにはあってるのかもしれませんね。
とにかく時間を忘れるほどなかなか面白い回でした。木村祐一の仏頂面が融通の利かない役人に似合ってましたね(笑)。
すごーく長くなってしまったので、今日はこの辺で。
それでは、また。
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