
こんばんは。さるぼぼ母です。
『おんな城主 直虎』 第10話「走れ竜宮小僧」のあらすじと感想をご紹介したいと思います。
*ネタバレが含まれますのでご注意ください
奥山を斬ってしまった政次はどうなってしまうのか。
前回、なつ(山口紗弥加)と亥之助を巡って、対立していた奥山朝利(でんでん)を斬ってしまった小野政次(高橋一生)は傷ついて龍潭寺に逃げ込んだ。政次を見つけた次郎法師(柴崎コウ)に「奥山殿を切ってしまった」と告白する。
井伊直親(三浦春馬)は斬られて死んでいる奥山を発見し、しの(貫知谷しほり)は父の亡骸を見て泣き声を上げる。直親は自分が父を斬られて泣いていた時の事を思い出す。床には血の着いた小刀が落ちていた。
「怪我をしているものを襲うなんて卑怯千万。敵をうってください」というしの。
「この事はいったん心の外に追いやってくれ、そなたの体に触らぬように」といったんしのをなだめる直親だった。
「直親さま。奥山家としては小野を討つつもりです」と奥山孫一郎(平山祐介)は言った。
政次は次郎に事の次第を話をしていた。
なつと亥之助を奥山に戻したいということを言われ、なつが戻りたくないと言うのでいったん断ったものの、奥山に会って話をしたいと言われたが聞き入れてくれず、再度お断りしたところ帰りがけに斬りつけられた、と政次。
「正直に直親に言え。それ以外に道はない」と次郎。
「小野はあいつの父を義理とはいえまた奪ったんだ、いくらなんでも許すと思うのか」という政次に「しばしここに隠れておれ」という次郎。
「次郎様になんとかしてもらう義理はない」という政次に「なんとかしたいのじゃ。これは竜宮小僧の勤めじゃ」という次郎だった。
井伊家家臣が集まって、奥山が殺されたことについて争議をしていた。
政次が逃げたことに憤って小野を討つという孫一郎。「小野は何故そのようなことをしたのか」と訝る新野左馬助(刈谷俊介)に対し「さっさと成敗を」と憤る中野直由(筧利夫)。
そこに小野の名代の方が来た、と知らせが入る。それは、なんと奥山の娘であるなつだった。
「父が斬られたのにお前が小野の名代とは」と憤る孫一郎。ところがなつは、小野の兄の名代として一言申し上げたく来たという。そもそもの事の起こりは自分が小野から戻りたくない、と言ったこと。兄上は私の意志を父に伝えたが父は認めず、このような惨事が起きた、という。
「私は玄蕃様(井上芳雄)に嫁ぐ際に、亡き殿に井伊のものたちをつなぐ架け橋になってほしいと言われました。玄蕃様亡き後、その役目を自分が継いでいきたいのです」となつ。
「亥之助のことも考えてほしいのです。ここで父の家と母の家が殺し合うこととなれば、こののち亥之助は生きにくいこととなるでしょう」と千賀(財前直見)。
ここでこの話を治めてほしいというなつに対し、何の咎めもなしとはすまないだろう、と反対する井伊の家臣たち。
その時、直親が言った。
「政次は刀を抜いていません。小刀は奥山殿のものであり、床や低い場所についた刀傷を見ると、どうみても刀を抜いたのは奥山殿。政次は身を守るために仕方なく、刺してしまったのでしょう。義理の父の敵を取れぬのは悔しいが、これを咎めるのは違うと思います」と直親。
直親の言葉に他の家臣たちも納得し、政次は九死に一生を得ることになった。
政次に対する周囲の人の気持ちを落ち着かせるために竜宮小僧は動く。
龍潭寺に帰ってきたなつを次郎と共に隠れていた政次は迎えた。無事治まったことを報告するなつに対し、「いつかこの礼は必ず」と礼を言う政次。「亥之助をお守りさえいただければ」となつは言った。
家に帰った直親にしの(貫知谷しほり)は「何一つ咎めなしなど、あまりにも父が」と涙ながらに訴えた。
「恨むなら私を恨め、義父の気持ちをもっと汲んでいれば」と直親。
「悪いのは父でしょうが、父は父なのです」と泣くしのだった。
井戸の側に来た政次。そこに現れた直親。
「やはりここか」
「なつから聞きました。かたじけのうございます」と感謝の意を述べる政次に
「おれは信じていたぞ。これで検地の時の借りは返したかな」と直親。
「亀。お義父上を、すまなかった」という政次に「俺だってああする」という直親だった。
次郎は川名の井伊直平(前田吟)のところに出かけていった。
政次のことを根回しに来たのである。
「直親はやさしすぎる、さっさと成敗してしまえば良かったんだ」という直平に対し、
「こたびは政次も心を入れ替えたようですよ。奥山殿のために写経を読んでいるようです。もう裏切ることはないでしょう」と嘘をつく次郎。
こんどはそれを政次のところに話に行く次郎。
「なぜ俺が写経を読まなければいけないんだ」という政次に
「奥山殿が成仏しておらんようなのだ。夜中に奥山殿が本堂をうろついておった」と嘘をつく次郎。
奥山の霊を怖がって写経をする政次を見て、井伊の家臣たちにも政次が心を改めたと感じさせるためであった。
井伊に待望の後継である虎松が誕生し、神様に感謝する次郎法師。
その冬。直親に待望の男の子が誕生した。
「産声も大きく、肌の色も良い、健康的な子です」と千賀。
直親に子供が誕生した知らせは次郎にも届いた。
直平に虎松(のちの井伊直政)と名付けられると「虎」というめでたい名前について祝い合う井伊の家臣たち。
そこに政次が祝にやってきたという知らせが入り、皆表情を変えた。
政次は小野より祝の品を持ってきたのである。それはかつて父の小野政直(吹越満)が井伊直密(宇梶剛士)から奪い取った所領に関する書状であり、直密の所領をすべて虎松に返上する、というものだった。
「はい。天文十三年以前の井伊に全てを戻したく存じます」という政次。
「心得た、但馬」と直親は立ち上がり「井伊をよろしく頼む」と。
こうして政次と直親のわだかまりは完全に溶けたのであった。
次郎は無事に虎松を授けてくれたことを井戸の神様に感謝していた。
次郎が井戸に石を投げると水の音がした。そこにやってきた直親に「井戸に水が湧いてきた。これはきっと虎松の誕生を祝ってくれているのだ。虎松はきっと井伊を蘇らせてくれる」と喜ぶ次郎。
「今日、井伊の所領を政次が返してくれた」と報告する直親。
「これは竜宮小僧様の働きのおかげだろう」という直親に
「知られてしまっては、竜宮小僧としてはまだまだじゃな」と次郎。
「おとわに報うにはどうしたらいい?おとわの望みはなんじゃ」と聞く直親に次郎は言った。
「今日のような日が日々であるように。喜びに満ちた日々が続くように井伊を守ってほしい。それが我の望みである」
「それがしは左様な井伊をおとわさまに、次郎法師さまに、竜宮小僧に、井伊の姫に捧げましょう」と直親。
にっこり笑う次郎だった。
織田に寝返った松平元康のために今川に捕らえられた瀬名姫。
桶狭間の戦いの後、岡崎城を守っていたはずの松平元康(阿部サダヲ・のちの徳川家康)が今川の牛久保城を急襲。今川に反旗を翻す意志を表明した。
「元康が裏切った」と呆然とする今川氏真(尾上松也)。
井伊は様子見を決め込んだが、元康の勢いはとどまらず、今川から元康に次々に寝返る松平。
「松平の人質を皆殺しにせよ」と氏真。
駿府に残された瀬名(菜々緒)たちに危機が迫っていた。
一年も経っても何の音沙汰がない瀬名たちの事を心配する次郎は南渓和尚(小林薫)に詰め寄ったが
「そんなことは言われなくてもわかっておる」と和尚。
和尚は直親に次郎と一緒に瀬名らの命乞いに行かせてほしいと頼んでいた。
「瀬名は次郎のたった一人の友であるからな」と和尚。
和尚が次郎にそのことを話そうとした頃、すでに次郎は傑山(市川隼人)と共に駿府に来ていた。
次郎を迎えた叔母である佐名(花總まり)の髪は真っ白になっていた。
「瀬名を助けてください。今日明日にでも殺されるのではないかと」と次郎に懇願する佐名。
寿桂尼に瀬名の命乞いをする次郎法師だったが、うまくいくかと思ったその時、事態は急変する。
瀬名は今川に幽閉されていた。
次郎は今川義元(春風亭昇太)の母である寿桂尼(浅丘ルリ子)に会いに行った。
「悪いが瀬名のことは聞き入れぬ」と寿桂尼。。
「このたびのこと、瀬名さまは何一つ知らなかったのです。これは私に送ってくれた忠義に満ち溢れた文です」と瀬名がよこした手紙を寿桂尼に見せて「どうか」と頭を下げる次郎。
「よろしい。岡崎に参りなさい。元康が和平を受け入れれば、瀬名と子の命は助けよう」と寿桂尼。
「そんな無茶な」という次郎に「できぬなら、話にならぬな」と寿桂尼。
「わかりました。私と瀬名様、お子様を岡崎まで送り届けてください。私が参っている際に斬り殺されては困ります。もしうまく行かねば、私もろとも斬り殺せばいいでしょう」という次郎に対し、
「よい覚悟じゃ」と寿桂尼。
ちょうどその時、元康が寿桂尼の孫である鵜殿長照の城を落とし、鵜殿長照が自害したという知らせが入る。事態は急変したのである。
「せっかく来たことじゃ、瀬名に引導を渡して帰れ」と寿桂尼に言われ、瀬名のいる部屋に放り込まれた次郎。
お互いに成長した姿に一瞬わからぬ二人だったが「命乞いに来た」という次郎に、感激して涙する瀬名。
「鵜殿さまを討ったとなると私も容赦ないでしょう。もう殿には我らを助ける気持ちがないのでしょう。殿が岡崎に篭ってもう一年です」と絶望したように瀬名は語った。
その時、瀬名に龍泉寺にて明日自害しろ、という命が下る。竹千代と亀姫だけはどうか助けてほしいと泣き崩れる瀬名。
その頃、井伊では政次と直親が次郎が巻き添えを食うかどうかについて話をしていた。「そうかもしれぬが、明日、今川の館が焼け落ちるかもしれぬ」と冷静に語る政次。
瀬名という友のために一か八かの賭けに出る次郎法師。
自害を言い渡されて、最後の食事を口にしようとする瀬名に「その前に経を唱えてください」という次郎。
「私は出家していないのですよ」という瀬名に対し次郎は言った。
「瀬名様に私は引導を渡せと言われておるが、まだ渡していません。そうこうしているうちに、今川の館が焼け落ちるかもしれない。そのうちに元康様が駆けつけてくれるかもしれません」
「かもしれない、かもしれない、とそんなことばかり」という瀬名に対し、
「どんなことをしてでも、そなたを生き延びさせたいのだ。たった一人の友だから」と次郎。
最後の食事を前に経を唱える二人。
瀬名を龍泉寺に連れていくための籠が到着した。
「まだ引導を渡しておらぬ」と瀬名を連れて行かせまいと体を張って食い止めようとする次郎。今川の家臣に振り払われて、突き飛ばされても何度もかかっていくのだった。
と、その時、松平の家臣を乗せた馬がやってきた。
(第10話終わり。つづく)
さるぼぼ母の感想
政次が奥山を斬り殺してしまうという大事件を起こしてしまうというところから始まる今回、どうなることかと心配していた方も多いのではないでしょうか。
しかし、奥山の娘であるなつ(と弟の玄蕃)の繋がりにあっさり助けられることとなった政次は、今までの気持ちを入れ替えて、直親とのわだかまりが完全に溶けることになりました。さらに、井伊のために尽くすという気持ちがかたまったように見えます。
小野の悪い家の歴史を切り離し、今後は直親を助ける良き家臣として働くことになるのでしょうか。
また、元康(阿部サダヲ)が織田に寝返ったことで、自害させられそうになっている瀬名(菜々緒)を助けるために次郎が体を張ることなりました。妻と子が幽閉されているのに、織田に寝返るという元康ことのちの家康は一癖も二癖もある人物のようです。次回、元康がどのように今川を制圧(?)して、瀬名たちを助け、織田の天下になることによって、井伊の人たちの運命が変わっていくのか。
いよいよ、歴史のうねりが井伊の人々を飲み込もうとしています。今後、この歴史の変化に次郎がどのようにして井伊を助けていくのかが楽しみです。
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