『おんな城主直虎』第46回「悪女について」のあらすじと感想

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『おんな城主直虎』第46回「悪女について」のあらすじと感想
さるぼぼ母です。

『おんな城主直虎』第46回「悪女について」のあらすじと感想をご紹介します。

*詳細なネタバレが含まれますのでご注意ください

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信長の罠にかかった家康は嫡男信康を斬らねばならなくなる


織田信長(市川海老蔵)の陰謀により、武田と内通をしたとして徳川家康(阿部サダヲ)は自らの息子である徳川信康(平埜生成)を斬ることになってしまった。

家康の生母である於大の方(栗原小巻)からもお家のために信康を斬ることを懇願された家康は、信康を捕らえるために岡崎城に赴いた。ちょうど瀬名(菜々緒)を訪ねてそこに居合わせた直虎(柴咲コウ)の目の前で、信康は武田と内通した謀反の門で捕らえられた。

榊原康政(尾美としのり)は、信康の無実を信じ、忠誠を誓う岡崎城の家臣たちの前でこう言い放った。

「信康様ご謀反の疑いあり。以後、歯向かうものは同罪とみなす。信康様と今後一切の交わりを絶つという証文を取る」

信康の無罪を家康に訴え続けた瀬名の叫びも虚しく、信康はあばら屋同然となった大浜城跡に幽閉されたが、我が子を助けるための策として家康にはひとつ考えがあった。家康は松下常慶(和田正人)を京都に向かわせて、今川氏真(尾上松也)に自らの密書を渡した。

そこには、氏真から徳川の正式な遣いとして北条と手を結ぶ命を託したのだった。
家康の命を受けた氏真は家康からの恩を返すべく、そして瀬名を助けるべく、さっそく北条に向かった。

信康を助けようと家康は北条と結ぶべく動いていた


岡崎。瀬名は家康の真意について図りかねていた。信康の家臣である石川数正(中村織央)は、織田信長の誘いを信康が巧みに交わした事による織田の報復であろうと瀬名に語った。
瀬名は一瞬、直虎に知恵を借りようと考えたが、すでに直虎は岡崎をあとにしていた。

井伊谷。その場で信康を助けると言い出すのではないかと思ったと南渓和尚(小林薫)は言ったが、迂闊に関わり合いになると、井伊にまで火の粉が及ぶから、と直虎は冷静に言うのだった。

浜松城。家康は信康を何とか救い出すべくその策を練っていた。まず、井伊万千代(菅田将暉)小野万福(井之脇海)に信康の幽閉されている三河・大浜城跡へ向かわせた。

二人は大浜城跡に行くと、信康を連れ出し、遠江の堀江城に移動させた。

井伊谷。直虎は旅支度をしようとしていた。そこに南渓和尚が傑山(市川隼人)を連れて現れた。和尚に命じられて大浜城に様子を見に行った傑山は万千代たちの一行とすれ違ったという。信康を堀江城に移送しているところを見たことを話す傑山。

「徳川殿には、何か見えているものより別のお考えがあるように思う」と和尚。

遠江・堀江城。万千代は信康に家康の思惑を説明した。この幽閉は見せかけであり、一旦織田に従ったように見せかけて、信康の助命を叶えるべく北条との密約を進めている事。

北条が徳川と結べば、武田には大きな痛手となるだろう、それを手土産に家康は信長に助命を願い出る考えだと、万千代は伝えた。

「父上に、あまりご無理をなさらぬように、と伝えてくれ」と信康は家康へ言付けた。

万千代が浜松城に戻ってそのことを報告すると、それを聞いた家康はますます、信康を失ってはならないと考えた。そこに京都に行っていた常慶が戻ってきて、今川氏真が北条との談判に臨んだことを伝えた。あと半月ほどあれば、なんとか北条と結ぶことができるだろう、と常慶。

「あと半月ほどあれば、若様を救い出すことができるのですね」と万千代。
「待っておれよ、信康」と家康は呟いた。

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信康を延命しようという家康に対して瀬名も息子を救おうと動き出した


岡崎城。瀬名もひとつの決心をしていた。
「待っていなさい。信康」
瀬名は石川数正を呼び、頼みたいことがあると伝えた。

浜松城。榊原は家康から愛想を着かされた酒井忠次(みのすけ)に信康が大浜城跡におらず、堀江城にいることを伝えた。驚いた忠次は家康の行方を訪ねたが、浜松に戻ったと榊原はいい、織田にこの事を伝えるべきだとそそのかした。慌てふためいてふらふらと安土城の織田の元に向かう忠次。

こうして家康は、時間稼ぎのために信康を大浜城から堀江城、堀江城から二俣城に移した。織田もさすがに苛立ち始めたその頃、家康の元にある知らせが来た。

岡崎の瀬名が石川数正と共に姿を消したというのである。しかも、内通していたのは自分であるという証拠となる文を残したというのであった。武田との密通の証、勝頼の花押も押されていた。

「武田と通じておったのはお方様ということか」と本多忠勝(高嶋政宏)
「お方様の御首を差し出せば、信康様は助かる、ということになりますかな」と大久保。

それを聞いて考える家康。傍で聞いていた万千代は叫んだ。

「お待ち下さい。これほど見え透いた狂言もござりますまい。まことに通じておるならば、わざわざかようなものを残し去ることなどありません」

しかし、家康は言った。
「ご苦労だった。瀬名に追手を放て。捕らえ次第、首を撥ねるがよい」

それを聞いた本多忠勝は困惑気味だった。しかし、家臣の姿が見えなくなると、家康は万千代にすがりついたのだった。

自ら密通の罪を被り信康の身代わりとなろうとした瀬名は井伊谷を訪れる


井伊谷の井戸のほとりで手を合わせる瀬名と石川数正の姿があった。直虎と瀬名の母が過ごした地を訪ねた瀬名だったが、直虎には会えそうもなかった。その場を去ろうとしたその時、そこに直虎の姿があった。瀬名は直虎に言った。

「信康の顔を見に行くのです。許されることになったので、出迎えて驚かせてやろうと思ったついでにこちらに立ち寄ったのです」

しかし、急ぎ立ち去ろうとする瀬名の手を掴んで直虎は言った。

「そなたの首をもって、事を治めようとしておるのか? 武田と内通しておったのが息子ではなく己であると、そんなところか。なにゆえわかるか言ってみようか。そなたと同じことをやったやつをよく知っておるからじゃ。瀬名」

瀬名を揺さぶろうとする直虎を石川数正は遮った。
「ならばおわかりのはずです。お方様の覚悟を」

直虎を振り切って、先を急ぐ瀬名の前に万千代と万福が現れた。
「お話がございます」万千代は言った。

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井伊で匿うという家康や直虎の願いを振り切って、自らの命を差し出す瀬名


万千代と万福は瀬名と石川に、北条と結んで信康を救おうとしている家康の計画を語った。それを聞いて、このまま瀬名が戻れのるかと数正は尋ねたが、行きがかり上、このまま瀬名に濡れ衣を着て欲しいという意見もあり、家康もそれを無視することはできない。瀬名には、追手がかかっているため、しばらくの間、井伊で匿ってほしいというのが家康の考えだと万千代は語った。

「井伊は逃げる隠れるには慣れております。ほとぼりが冷めるまで安心してください」と直虎は言ったが、瀬名は家康の策が必ずしも実らないのはないか、そうであれば、自分が代わりに通じたとしたほうが、確実に信康を救い出せるのではないかと語った。

直虎は今川館で閉じ込められた時にも、危機一髪で家康の運の強さに救われた時の事を瀬名に思い出させた。家康の運の強さをもう一度信じてみたらどうか、と語る直虎に瀬名は言った。

「私はあそこで殿の運の強さに救われたのだと思います。あそこで死んでいてもおかしくなかった。だからこそ、その生命は殿と殿の愛する息子のために使いたいのです。徳川家の妻として、母として」

それを聞いた直虎は叫んだ。

「死んでいくやつは皆そんなことばかり言う。お家のために命を捨てるのは己の本懐。そんなことばかり言いおる。残される者の事を考えたことはあるか? 助けられなんだものの無念を。考えたことがあるか? もう二度と私はあのような思いはしとうない。徳川殿を大事というなら、どうか、左様な思いはさせないでくれ」

しかし瀬名は微笑みながら言った。
「信康が戻ってきたら、徳姫と子宝祈願をしてやってください。その子はきっと私にございます。ですから、何も悲しむことはないと殿にお伝えくださいませ」

そう言って、瀬名はいつも持っていた紅入れをそっと直虎の手に握らせた。
「さような事を己の口で言え」と直虎は泣きながら瀬名を睨みつけた。

「お暇いたします。姉様」そう言って、瀬名は井伊谷を発った。

瀬名は浜名湖の辺りで家康の家臣に斬られ、最期を迎える


井伊谷を出た瀬名と数正の身に追手が迫っていた。瀬名は数正にここで自分と別れるよう伝えた。数正は瀬名に言った。
「お方さま。私は、お方さまほど美しい人を知りません」

それを聞いた瀬名は笑いながら「何を今さら」と答えた。
こうして数正と別れた瀬名は家康の追手に囲まれた。
「武田との内通の儀、逃れられませんぞ」と家臣。

信康の命乞いに家康のところに行こうとしただけ、という瀬名を連れて家臣たちが向かった先は浜名湖の浜辺だった。それを見て自分の運命を理解した瀬名は言った。
「参りましょう」
それが瀬名の最期だった。

浜松城。今川氏真は北条との約束を取り付け、家康のいる部屋へと急いだ。しかし、そこには首箱を前にした家康が座っていた。

「瀬名の首じゃ」と家康はぽつりと言った。
「瀬名の!?なにゆえ!!」と氏真は驚いて叫んだ。
「信康様を助けようと濡れ衣を着られ」と万千代。

間に合わずすまない、と頭を下げる氏真に万千代は呟いた。
「悪いのは私にございます。お方様をお止めできず」
しかし、家康は言った。
「悪いのはわしじゃ。わしは瀬名に信じてもらえなかった。もっと頼りがいのある夫であれば、岡崎に大人しく座っていてくれるはずじゃった。のう?瀬名」

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命をかけて信康を守ろうとした瀬名の死も虚しく、織田は信康を自害させる


そして家康は瀬名の首を持って安土城の信長のところに向かった。瀬名の首を差し出す家康は武田と通じたのは信康ではなく瀬名だった、として信長に書状を渡し、信康は何一つ知らなかったこと、徳川が北条と手を結んだことで武田の滅亡が決定的になったこと、武田を亡き者にしたあとも変わらず織田に忠誠を誓うと信長に宣言した。

瀬名の書状をじっと眺めていた信長は言った。
「そこまで申すのなら、徳川殿のお好きになさればよい。その代わり、予も好きにするがの」
信長は家康の願いを聞き入れなかったのである。

こうして、天正七年九月一五日、信康は自害した。
一連の騒動の決着は徳川にとって正室と嫡男を失うという最悪の結果になった。家臣たちは嘆き悲しんだ。

直虎は自分が命をかけて何をすべきかを考えはじめる


そして、井伊谷では直虎が井戸に手を合わせていた。
「子宝祈願もできんのお」と南渓和尚は直虎に声をかけた。
「かような事が続くんでしょうかね。戦がなくなればかような愚かしい命のやり取りもなくなるのに」
「では、やってみればよいじゃないか」と和尚。

そんなことはできるわけない、という直虎に和尚はしみったれたおなごだと揶揄した。

「瀬名は母として妻としてその生命を使い切った。では、そなたは何のためにその生命を使うのじゃ。母でも妻でもないそなたは何にその生命をかけるのじゃ」

そういって、和尚は直虎に白いあの碁石を渡した。

「虎松。虎松を使い、徳川に左様な世を目指してもらうよう、持っていく」と直虎。

「どうじゃ?」と和尚。

「何一つ使い所のない命。ならば、途方もない夢にかけてみたとて、誰も何も言いますまい」そう言って、直虎は空を見上げた。

直虎は万千代に信康の代わり身となって家康に尽くすことを提案する


浜松城。岡崎では逃げ出すものがあとを絶たないと大騒ぎになっていた。岡崎の怒りは凄まじいという家臣たちの言葉を遮って、家康は部屋に籠もって独り碁を打っていた。家康の部屋の前に座る万千代に万福が伝えた。

「おとわ様がいらしております」

直虎に、何の用で来たのか尋ねる万千代に直虎は瀬名から預かった紅入れを差し出した。それを見て、とても渡せるような状態ではない、と語る万千代だったがふとこう語り始めた。

「かような事はいつまで繰り返されるのでしょうかね。父上や但馬や、同じように首を望まれ、同じように首を差し出すことを止められず」

「そなたの父を救えなかった時、父上の代わり身として生きることだった。死んだものはどうやっても帰ってこない。生き残ったものにできることは、せめてその志を宿すことだけだ。信康様はどのような志を持っていらしたのか?」と直虎は聞いた。

「信康様は己の立場より、お家の行く末を考えるようなお方で、皆の信用も厚く、殿も信康様とだけは碁を打たれ」と万千代。

「では、そなたが信康様の代わり身となればよいではないか」と直虎が言うと

「そのような不遜な事、よく申せますな!」と万千代は言った。

そのような言葉が万千代の口から出たことを笑う直虎は続けた。
「徳川殿にすれば、息子のごとく、お家の行く末を考えてくれる家臣ができるということ、有り難いものじゃと思うがな」そう言って、直虎はその場を去った。

万千代は直虎の言葉どおり、家康が失った信秀の代わり身となる決心をする


その言葉を噛み締めていた万千代は家康の寝室に向かった。そして中に入り、碁盤の碁をすべて払い除けた。

「ご無礼を。お考えが進んでおらないご様子なので。では、もう一度やりましょう。私がお相手します」

「お前は、お前は何様のつもりだ!!!わしはもう、誰にも指図はさせん。皆の話を聞いた挙句の果てがこのザマだ。わしはもう、誰の言うことも聞かん。これからは全てわしが決める」そう言って、うずくまる家康に万千代は言った。

「昔、井伊の先代も独りで碁を打っておりました。幼い私には独りに見えましたが、和尚に『あれは独りではない』と言われました。『見えぬけれど、相手はおる』と。その者から碁を教わりました。その者は教えてくれました。負け戦になってしまったら、そもそもどこで間違えたかを確かめよ、と。次に勝つためには」

「次に勝つため?」家康は聞き返した。

「負けた意味は次に勝つためにある、と」

そう言って万千代は直虎から預かった瀬名の紅入れを差し出した。

「お方様が見ておられます。考えましょう。この先の徳川のために」

家康は万千代の目を見た。何か決心したような面持ちで家康は言った。
「まずは岡崎じゃ。忠勝を呼べ」

そして、家康の命を受けて本多忠勝は岡崎に向けて馬を走らせていた。

(第46回終わり。続く)

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さるぼぼ母の感想。


第46回と、このドラマもそろそろ大詰めを迎えはじめました。井伊の再興で万千代と対立していた直虎は、瀬名の死をもって、自分が成すべきことを再び見つけたようです。

徳川家の最大の悲劇と言われる嫡男信康の自害と正室瀬名の死。それもこれも織田信長という鬼が気まぐれに起こしたものでした。海老蔵さん演じる信長は相変わらずその人物像がきちんと見えては来ませんが、人間離れした人物という描かれ方なのでしょう。

しかし、瀬名を演じる菜々緒さんは毎回言いますがなかなかいいですね。存在感があるというか、最期までユーモアを失わない人物像の描き方、脚本もそうなんでしょうが、いい役者さんなのでしょう。そして、今回の直虎の、今まで死んでいった人たちへの無念の気持ち、残されたものの切なさを語る演技には胸を打たれました。もしかして、今まででいちばん良かったかも。

今回の直虎はとても悲しくツライ回でした。あのユーモラスな家康と瀬名の夫婦が壊れてしまい、嫡男が死に追いやられたのは胸が痛みました。

しかし、この事で直虎と虎松の間にあったわだかまりが溶けて、徳川が天下を取るように居力していくという方向性が見えてきました。おそらく、今後は織田を討つための展開となっていくに違いありません。

とはいえ、すでに46回。11月半ば過ぎたところで年内もあと数回となってきました。このまま、早い展開で信長は明智光秀に本能で裏切られ、家康が天下を取る展開も訪れるに違いありません。主人公の主軸が移り変わるというこのドラマ、なかなかついていくのが大変なのか、視聴率も微妙な感じなのですが、年末にかけて盛り上がってくれることを祈っています。

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