大河ドラマ「西郷どん」第2回「立派なお侍」のあらすじと感想

第二回「西郷どん」_Fotor.jpg

さるぼぼ母です。

「西郷どん」第2回「立派なお侍」 のあらすじと感想をご紹介します。

*詳細なネタバレが含まれますのでご注意ください
スポンサーリンク


小吉が斉彬と運命の出会いをしてから6年後。


薩摩の下級武士の家でおおらかでまっすぐに育った西郷小吉(渡邉蒼)は、偶然藩主の嫡男である島津斉彬(渡辺謙)と運命の出会いを果たした。

それから6年後の弘化三年(1846年)、18歳になった小吉は名を吉之助(鈴木亮平)と改め、藩の農政と年貢の徴収を行う小売方書役助けという役目についていた。

その年は長雨と冷夏の影響で稲は育たず実っていなかった。例年どおりの上納米を収めるのは無理そうだった。農民たちは吉之助にどうにかしてくれるよう懇願したが、自分のような下っ端ではどうすることもできないと吉之助は言うのだった。

一方、上役の井上にすがる農民は袖の下(賄賂)を渡すことで難を逃れようとしていた。そこに農民の娘が借金の方に借金取りに連れて行かれそうになっているのを吉之助は阻止した。吉之助は自分がもらった俸禄を渡したがそのくらいのはした金では済まないと借金取りは言った。

借金の形に連れて行かれそうになった農民の娘ふきを助ける吉之助。


吉之助はすかさず、井上がもらった袖の下を借金取りに渡すことで一時的に難を逃れた。しかし、俸禄を借金取りに渡してしまったために、腹をすかせた実家の弟たちに何を持っていけばよいか悩む吉之助はうなぎを取ろうと川に入るのだった。

西郷家では3男が生まれて10名の大家族になろうとしていた。貧乏は相変わらずで、父の吉兵衛(風間杜夫)や吉之助の禄だけではなかなか楽にはならなかった。家に帰ってきた吉之助を次男の吉次郎(渡部豪太)は見つけて声をかけた。

吉之助が手当を持って帰ってくるのを心待ちにしていた妹や母や祖母に責められ、父にも腹を空かして待っている家族の事を考えてないと怒鳴られたが、そこに現れたのは吉之助の幼馴染みである大久保正助(のちの大久保利通・瑛太)だった。

正助は正式に記録所書役助けに採用されたと知らせに来たのだった。下鍛冶屋町一の秀才である正助に比べて泥まみれになっている息子を吉兵衛は比べるのだった。

薩摩藩主島津斉興と対立する島津斉彬。反りの合わない父子だった。


一方、久しぶりに帰国した島津斉彬(渡辺謙)は薩摩藩主島津斉興に会っていた。ここにも反りの合わない父と息子が居た。

斉彬が申し出た大砲の修練について島津斉興(鹿賀丈史)は声を荒げた。

「なんじゃこれは。参加藩士が2000人じゃと?」

「はあ。いささか費用はかかりますが」

それを聞いた薩摩藩家老調所広郷(竜雷太)は、そんな大掛かりな出費をしたら火の車になる、とそれを跳ね除けた。先々代の莫大な借金をようやく返す目処が立ったのは調所の働きによるものとされ、斉興は調所に頭が上がらなかったのだった。斉彬は調所に言った。

「そなた、借金を帳消にしたばかりでなく、50万両ばかり懐に入れたそうじゃないか。それを貸してくれぬか」

「そげな金、断じてございもはん」と調所。

父と息子はまったく相容れなかった。

スポンサーリンク

大久保正助の昇進祝いの席であの娘のような窮状に立った農民を助けたいと説く吉之助。


翌日、吉之助は借金取りから助けた農民の娘の家を訪ねた。働けど働けど借金は増えるばかり、母は病に倒れたのに薬を買うこともできない、と父親が言うと、娘のふき(柿原りんか)は自分が奉公に行けば済むと明るく語った。吉之助は懐から握り飯を出した。白い米を食べるのは初めてだという兄弟は感激しながらその握り飯を頬張った。

その晩、大久保正助の就任祝いがささやかに催された。正助の父である大久保次右衛門(平田満)は演説を始めたが、それを吉兵衛はとどめて宴席は和やかに始まった。赤山靭負(沢村一樹)も祝いの鯛を土産に現れ、一緒に来た娘は酒を差し出した。

その娘の顔を見て見覚えがあると正助。それは何とあの妙円寺詣りの際に一緒に走った岩山糸(黒木華)だった。糸は学問を覚えたいと赤山の家に奉公しているという。糸が学問をという話に女子ながら、と驚く面々。しかし正助はこれからは女子も学問をするべきであり、糸の心がけが立派だと褒めるのだった。正助が糸に気があると囃し立てる仲間たちだったが、糸の視線は吉之助の方を向いていた。

吉之助は重い年貢に苦しまれているあの農民の家族の事が気になっていた。娘が借金の形に連れて行かれるという事態を憂い、斉彬が藩主になればきっと民百姓変わるに違いないと力説する吉之助に村田新八(堀井新太)は藩主斉興が次の藩主を斉彬ではなく、弟の久光(青木崇高)を望んでいると語った。

それなら自分たちが斉彬を担いで、という吉之助の言葉を正助は遮った。
「甘か。吉之助さんは甘か。今や、500万両の借金を返した調所広郷様の影響は絶大だ。その調所様が嫌っている斉彬様を担ぐというのは危険だ」

正助は真剣だった。むろん正助とて斉彬が藩主になれば良いと考えてはいたのだが。しかし酔った仲間たちは大騒ぎをし、せっかくの鯛が皿から落ちた。それを見て糸は怒りを露わにした。

「食べ物を粗末にする人間が国の将来を語るとはおこがましい!」

斉興は斉彬を次の藩主とは認めず、次男の久光を藩主名代と決める。


そんな一夜が明け、お城では斉興が斉彬が書いた薩摩の沿岸の備えの報告書を見て激怒していた。明らかに不備があると訴える斉彬を遮る斉興。側室の由羅(小柳ルミ子)も斉彬を揶揄した。

「まあ、恐ろしい人。このような人が藩主になったら薩摩はどうなってしまうんでしょ」

「おまえに薩摩は任せられん。久光を藩主名代とする」と斉興。

それを聞いた赤山は驚いた。明日江戸に戻るという斉彬を赤山は引き止めた。

「お待ちください。貴方様は当薩摩にとって無くてはならぬお人です」
「赤山。幕府は薩摩に不審の筋があると薄々気づいている。琉球の扱う密貿易。突きだしたらきりがない。それをわしは幕府に言うつもりだ。父上にはその責めを負うてもらう。なんじゃその顔は。次に来る時は必ず藩主として戻ってくる。それまでの辛抱じゃ」

斉彬は赤山の肩を叩いた。

薩摩藩の年貢の取り立ては特に厳しく、加えて役人たちの不正や賄賂も横行し、百姓たちは苦しむ一方だった。年貢の取り立てと言いながら溢れた米を股ぐら米として、懐に入れる役人たちを見て吉之助がそれを止めようとすると、そのような不浄な米は納められないと平然としていう上役の言葉に吉之助は戸惑うばかりだった。

吉之助は上役に掛け合ったが、素知らぬ顔をする井上。農民の娘ふきはそれを聞いて涙を浮かべ飛び出した。ふきを追ってきた吉之助に彼女は言った。

「行きたくなか。本当はどこにも行きたくなか」

藩の年貢の取り立て方法に疑問を持った吉之助は家老の調所広郷に会いにいく


吉之助は調所広郷に掛け合うことにした。正助の言うとおり調所が立派な人ならば聞いてくれるだろうというのだった。調所のところに行き、年貢の取り立ての方法を変えるよう語る吉之助に調所は言った。

「薩摩の年貢の取り立ては定免法ということで決まっている。それを変えろというのか」

吉之助は、定免法では百姓に死ねというのと同じだと語った。取れ高に応じて年貢の額を決める検見取にしてほしいというのだった。検見取では余計な手間がかかる、賄賂も横行するためかえって百姓を苦しめることになる、と調所。

「このままでは百姓が死んでしまいます。百姓が死ねば薩摩そのものが死んでしまいます。どうか」

それを聞いて調所は言った。そんなに言うなら教えてやろう。多少の不浄金が回っても年貢の取り立てがうまくいくならそれもお家のため。薩摩の政を守るための忠義ということ。

「忠義?民百姓は殿様からの預かり物では?薩摩の民は殿様の大切な子供と同じ。おいはその民百姓を守らねばなりません。それが上に立つものの忠義だと思っています」と吉之助。

それを聞いた調所はそこまで言うならやってみろ、と吉之助に言った。

「よいか。すべての田で丹念に坪刈りを行うのだぞ」

それを聞いていた家臣が吉之助のような身分の者に任すなんて、と言ったが、できるわけがなかろう、と調所は言うのだった。

スポンサーリンク

年貢の取り立て方法を変えればと意気込んだ吉之助の前に今度は農民の不正が立ちはだかる。


吉之助はさっそくふきの家い行き、検見取が許されたこと、それでずっと年貢が軽くなるだろう、そしてふきも糸の家で奉公もできるかもしれない、と語った。吉之助はそれで百姓たちの負担が軽くなるだろうと信じていた。

しかし、百姓たちの反応は違った。吉之助は検見取のために田畑を見て回った。しかし、なんと地図にない田を見つけてしまう。百姓たちはお上の目を盗んで田を作っていたのだった。検見取だと、この田の分の年貢も納めなければいけない。百姓たちはそれを見逃してくれるように吉之助に頭を下げた。

「やめてくれや」と吉之助は叫んだ。曲がったことを見逃すことはできない、と困り果てた吉之助は正助に相談しようとした。正助は藩に奉公してはじめて藩の財政の苦しさを知り、下手に動いたら百姓だけでなく藩も潰れてしまう、というのだった。


吉之助は農民の窮状を訴えるため、斉彬に会わせてほしいと赤山に頼むが。


吉之助は赤山のところに行き、斉彬に会えないかと談判した。百姓たちの苦しみを斉彬に伝えたい、その一心だった。赤山は明朝斉彬が密かに江戸に立つ、その前に百姓たちの意見を集めて届けろ、というのだった。

吉之助はずっと懐に持っていたあの紙を出した。そして、斉彬に言われた言葉を思い出した。

「お前が強くなったらまた会おう。強くなれ」

吉之助は百姓の窮状について書面に書き始めた。娘を売るもの、田畑を捨て逃散するものもたくさんいるとそこには書かれていた。次の朝、正助は吉之助の思い込みに警鐘を鳴らした。今、動いて調所にお咎めを受けたらどうする、という正助の言葉に吉之助は自分は斉彬に最後に会っていなければ、とっくに死んでいた。自分は斉彬を信じている、と語った。

江戸に経つ斉彬に赤山は同行し、吉之助が来るまで斉彬を止めようと必死になっていた。

その頃、糸はふきのところに行き、奉公の話はうまく行かなかったことを伝えた。その時、再び借金取りがやって来て、ふきを連れていこうとする。糸はその場を駆け出し、出会った吉之助にふきが連れていかれそうになっている事を伝えた。

ふきは奉公できず、借金の形に売られていく。おなご一人助けられない自分に悔し涙を流す吉之助。


吉之助は借金取りに連れて行かれようとしているふきに追いついた。自分が何とかするから、と頭を下げる吉之助にふきは言った。

「お侍さん、もうよかです。私が行けば借金が消えます。お父もお母も楽になれます。私は喜んで売られていきます。立派なお侍さんに会えて嬉しゅうございました」

そして桜島を見てふきは言った。

「今日は美しかこと、私はこの薩摩が大好きじゃ」

吉之助は農民の娘一人助けられない悔しさのあまり泣きながら叫んだ。

「立派なお侍なんかじゃなか。おなご一人助けられないやっせんぼじゃ」

現れない吉之助を待っていた赤山は、実は会わせたい人間が居たことを斉彬に語った。泥まみれになって百姓を助けようと駆けずり回ってる男がいる、と。それを聞いて斉彬は言い、腰を上げた。

「そうか。残念じゃな」

そして、斉彬は江戸へと向かったのだった。

(第2回終わり。つづく)

スポンサーリンク

さるぼぼ母の感想。


第二回の「西郷どん」。子役の小吉から主役の吉之助こと鈴木亮平さんへと早くもバトンタッチしましたね。直虎が子供時代がかなり長かったこともあり、あれ?というスピーディさです。子役の渡邉蒼君もすごく良かったので、ちょっぴり残念というところでしょうか。

さて、早くも多くの主役たちが出揃いはじめた感があります。のちの大久保直彦となる正助は瑛太さん。なかなかのイケメンぶりですね(唯一?笑)。

しかし、今回何が良かったって、びっくりしたのは農民の娘ふきを演じた柿原りんかちゃんです。最初から、何この子上手い!と驚きましたが、最後の彼女の演技はすごい。こういう役って印象に残らないのが常なのですが、あまりに上手い。引き込まれる演技、そして情感、思わずこちらが涙してしまうほどの名演で、この子が今後出てこないというのがもったいなさ過ぎるという印象でした。

この貫禄というか、この巧さは後ほど登場するんですよね?(とNHKに言いたい)主役級の巧さで本当にびっくりでした。そう思って思わずこの子は誰?とぐぐってみたところ、主役の鈴木亮平さん本人が彼女の演技を大絶賛しているという記事を見つけましたよ。

「鈴木亮平、『西郷どん』第2話を絶賛! "主役"は子役・柿原りんか」

この第2話について、鈴木は公式サイトを通じて「はっきり言います。第2回、すばらしいです。薩摩という国のため、か弱き民のために奔走する吉之助がいますが、おのずとそうしたくなる後押しとなるのが、農民の娘・ふきちゃん(柿原りんか)の名演技! 吉之助として、強烈に心が動かされました。だからこそ吉之助は、ひたすら懸命に、走る、走る、走る……!」とコメント。.....

また、自身のブログでも子役・柿原りんかを絶賛し、「実は僕は、今週の主役は僕たちではないと思っております。では誰かと言いますと…村の娘『ふき』を演じた柿原りんかちゃん」「彼女の切ない熱演に、皆さんも心を奪われてしまうこと間違いなしでしょう。ぜひ、彼女の存在感と胸を打つ演技にも注目していただければと思います」

出典:マイナビニュース(https://news.mynavi.jp/article/20180114-571495/

いや、やっぱり。というか当然というか。やっぱり上手な俳優さん(彼女はまだ子役?)というのは素晴らしい力を持っています。これで注目されて、彼女は今後大きな役どころを演じるようになるに違いないです。いや、第二話のめっけものは、彼女でした。

子役って演技が本当に上手だったりしますよね。もちろん、それもあるんでしょうが、彼女の演技は大人のそれと同じでしたね。子役のものではない何かを感じました。

さて、斉彬は藩主として戻ってくるのでしょうか?また吉之助は調所のようなずる賢い人物とどう対応していくのでしょうか。まだまだ序盤という感じ。西郷どん、頑張れ。という感じです。


関連記事

スポンサーリンク


「西郷どん」の見逃し配信はU-NEXTで。


31日間無料トライアルで今すぐ見たかった放送回をチェック!