大河ドラマ「西郷どん」第4回「新しき藩主」のあらすじと感想

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さるぼぼ母です。

大河ドラマ「西郷どん」第4回「新しき藩主」のあらすじと感想をご紹介します。

*詳細なネタバレが含まれますのでご注意ください
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切腹を命じられた赤山靭負を助けようと奔走する吉之助。


島津斉興(鹿賀丈史)の側室であるお由羅(小柳ルミ子)の暗殺を企てたとして、斉興は城下の島津斉彬(渡辺謙)に親しい者たちに対する粛清を下した。

いわゆる「お由羅騒動」である。

次々に斉彬に近い者たちは、切腹・島流しなどの重い沙汰を言い渡され倒れていった。そして、ついに西郷吉之助(鈴木亮平)が子供の頃から教えを乞うていた赤山靭負(沢村一樹)に対しても切腹の命が下ったのである。

赤山の切腹を聞いて吉之助は憤りが止まらなかった。城に行って訴えようとする吉之助を止めた大久保正助(瑛太)は、何とかして赤山に下された命を取り消すことはできないかと考えた挙句、斉彬の異母兄弟である島津久光(青木崇高)のところに出向いた。

吉之助たちは久光の前で赤山の切腹の命を取り消すように頭を下げたが、久光の言葉は冷たかった。

「おいに何ができる?どげんすることもできん。おいに言うな」

そう言って、吉之助を振り払ってその場を逃げる久光だった。
城に戻った久光は由羅に母がが心配だと伝えたが、江戸では由羅が斉彬の子供を呪い殺したというかわら版が出回っていた。

吉之助たちの願いは叶わず赤山は切腹し、悔しさと哀しみのあまり我を失いそうになる。


久光の家臣と揉み合って怪我をした吉之助が家にいると、夜逃げをしようとした武士の子供である中村半次郎が吉之助を訪ねてきた。吉之助に助けられたことで、武士でいられたことに礼を言う半次郎は、畑で取れたさつまいもを差し出した。

そこに赤山の弟である島津歳貞(井戸田潤)が現れ、西郷吉兵衛(風間杜夫)に赤山の切腹の介錯(かいしゃく)を赤山の頼みで依頼しにやって来た。歳貞は吉之助たちに赤山が屋敷に来るように伝え、吉之助たちは赤山の屋敷に集まる。

赤山の運命を思い、思い詰めた表情の吉之助たちに、赤山は明るく振舞い、半次郎からもらったさつまいもをつまみに酒を酌み交わすのだった。赤山を前にして、今にも泣きそうになる大久保をはじめ門下生たちは、幼き頃の思い出を語り合う。

その薩摩芋を見て、一つ一つ違う芋は吉之助たちに似ている、と語る赤山。芋は洗われてぶつかり合ってきれいになる、お前たちもこの芋のように切磋琢磨して立派な侍になってほしい、と語る赤山の言葉に大久保は涙ぐむのだった。

赤山の家から家に戻ると、吉兵衛が介錯を練習していた。無言で刀を振り下ろす吉兵衛を見て、吉之助は自分も赤山の切腹に立ち会わせてほしいと願い出た。

そして、嘉永三年(1850年)、3月4日。ついに赤山の切腹の日がやってきた。

「吉兵衛。いざ」

白い装束を来て、落ち着いた赤山はそう言って切腹し、吉右衛門は介錯を終えた。

それを見つめる吉右衛門はあまりの事にショックを受けていた。
赤山の血の着いた装束を前に、吉之助は呆然としてつぶやき、そして叫んだ。

「こげなことが許されるでごわすか。何で赤山先生まで。許せん。許せん。決して許せんど」

刀を持って立ち上がった吉之助を吉兵衛は全力で止めた。
「行ったらお前も罪に問われる。赤山様の意志を無駄にするな」

吉之助は赤山の装束を胸に泣き崩れた。

赤山の切腹は斉彬の耳にも入り、吉之助は斉彬に薩摩を救うために藩主になってほしいと訴える。


その知らせは江戸の斉彬にも届いた。斉彬の側近である山田為久(徳井優)は言った。
「3月4日、殿の命により、切腹とのことでございます」

しかし、その後も斉興の処罰は続き、大久保家まで及んだ。大久保次右衛門(平田満)が喜界島へ島流しを命じられた。その連鎖で正助も城勤めを解かれ、謹慎処分になった。次右衛門が旅立つ日、幼馴染の吉兵衛は次右衛門に相撲の勝負を挑んだ。勝負は次右衛門が勝ち、そして次右衛門は喜界島に旅立って行った。

「心配はいらん。おはんの家はおいに任せておけ」吉右衛門は言った。

吉之助は斉彬に書状と赤山の血の着いた装束を送った。書状にはこう書いてあった。

赤山靭負様は斉彬様が藩主となり、薩摩が変わることを夢見て、無念の切腹を遂げられました。

赤山様のみならず、貴方様に望みをかけた者たちが次々と処分され、隣人である大久保次右衛門様までもお勤めをしたというだけで、遠島に島流しになりました。

この方々の無念の思いに報いるには、貴方様に国主になってもらうしかありません。

斉彬様、いつまで待てばよろしいですか?何を躊躇っているのですか?何から逃げておいでですか?

おいは逃げません。どうかこれ以上逃げないで、この窮状に立ち向かってください。この薩摩を救えるのは貴方様しかいません。

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幕府に引退を命じられ跳ね除ける斉興。斉彬と斉興の最期の戦いが始まった。


年が明け、薩摩藩主島津斉興は江戸城に祝辞のために将軍徳川家慶に謁見した。斉興は老中主席阿部正弘(藤木直人)にお願いがある、と申し出た。

「目出度いついでにお願いしたいことがあります。従三位の官位を頂戴したい」

それに対して、阿部は「従三位の官位は朝廷が決めることですので、即答はできかねます。その代わり、上様からの贈り物があります」と言って差し出したのは棗(なつめ)だった。

茶器を将軍が渡すというのは、すなわち隠居勧告のことであった。

「この際、安んじて斉彬殿に任せられよ」と阿部は言った。

しばらくして斉彬が薩摩に戻り、新年の挨拶に訪れた。

「新しき年、健やかにお過ごしのこと、誠に目出度く存じます」と頭を下げる斉彬に対し、
「よくもまあ、ぬけぬけと。どの面を下げて来たのか」と悪態をつく斉興。

斉彬も負けていなかった。自分が父と似ていると言い、自分の愚かさに人に言われるまで気がつかなかったという。それに気が付かせてくれたその人こそが西郷吉之助という男だと斉彬は言った。

西郷は、これまでに知り得た年貢の仕組みがもたらした人々の苦しみ。悪政に苦しむ百姓や武士たちの苦しむ様子を斉彬に多くの書状で知らせてきたのだった。

自分のために多くのものが腹を切り遠島謹慎の処分を受けたこと。その者たちのために、自分が薩摩の藩主となり、立て直さなければならない、と父に語る斉彬に、斉興は「やすやすと隠居するものか」とそれを跳ね除けた。

斉彬は島津藩の密貿易の事、さらには琉球の出兵の命に従わなかったことがすべて幕府に知られていることを指摘すると、斉興は素知らぬ顔をして言った。

「わしは知らん。すべて調所広郷がやったことだ」

そのような大事、調所一人でできるわけがない、幕府を欺いたことはただでは済まされない。島津家はお取り潰し、斉興は切腹になるだろう、と斉彬が言うと、潰れて困るのは自分だけではないだろう、とまたもやしらを切る斉興。

お取り潰しを避ける唯一の道として、幕府は斉興に引退を命じ、斉彬を藩主とすることを提案していたのだった。斉彬は藩主らしく自らの意志で引退することを父に迫った。

「断る。お前を城を譲るにするくらいだったら、島津家もろとも死ぬことを選ぶ。そもそもわしはお前を好かん」とまたもや跳ね除ける斉興。

埒のあかない父に対して、一世一代の大勝負に出る斉彬。


埒のあかない父に対して密貿易にて手に入れた鉄砲を取り出す斉彬。自分を撃つ気か、と怯える斉興の前に、由羅が立ちはだかった。

「どきなさい。これは私と父上の最期の戦です」

二人は向き合い、斉彬は鉄砲に弾を込めて言った。
「生き残ったほうが薩摩藩主です」

そう言って自分のこめかみに銃砲を当て、引き金を引いた。カチッという音がして弾は出なかった。斉彬は鉄砲を斉興に渡した。

震える手で鉄砲をこめかみに当てた斉興だったが、引き金を引いたもののその銃砲を頭に向けることはできなかった。
この勝負は斉彬の勝ちであった。

斉彬は言った。

「近々、従三位の勅定が下されます」そう言って、お上からの書状を差し出した。

その場を去ろうとする斉彬の後ろ姿を追った由羅は発砲した。弾は外れた。
斉興は渋々と嫌々ながら藩主の座を退き、斉彬は齢41にしてようやく薩摩藩主の座に着いたのだった。

嘉永4年5月。第四十一代薩摩藩主に島津斉彬がなり、吉之助はじめ人々は希望に満ち溢れる。


西郷家。吉之助が正助を大声で呼びながら戻ってきた。

「ついに、斉彬様が藩主になられた」と吉之助。
「本当に?」
「本当だ」

二人は歓声を上げた。これで大久保次右衛門も戻ってこられる。吉之助は門下生を連れて赤山の墓を訪れた。そこにはすでに岩山糸(黒木華)がいた。大久保が自分は謹慎中だが、今日はやって来た、と糸に伝えると、糸は遅すぎるくらいだ、と吉之助たちを叱責した。

「赤山先生。斉彬様がついに藩主になられました」
「先生が申されたとおり、薩摩は良い国へと変わっていきます。どうか見守ってください」

そう言いながら皆は赤山の墓に手を合わせた。

嘉永四年(1851年)5月8日。吉之助にとって生涯忘れられない日になった。第十一代薩摩藩主、島津斉彬がお国入りを果たしたのだった。同行した人数はおよそ300名。それは華やかな行列だった。

斉彬の行列が通り過ぎると、民衆は皆歓喜の声を上げた。沿道は大歓声に包まれた。吉之助たちも沿道にひれ伏していた。吉之助たちの手前で、一人の子供が顔を上げて言った。
「これが新しきお殿様か。キラキラしているな」

周りの大人たちは慌てた。普通だったらこのような無礼をすればその場で斬り捨てられても仕方ないことだった。しかし、斉彬は言った。
「よいよい。子は国の宝だ。新しい殿様はこんな顔だ。よろしく頼む」

その後姿を吉之助は見つめて歓喜の声を上げた。いよいよ斉彬の時代がやってきたのだった。

(第4回終わり。つづく)

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さるぼぼ母の感想。


なんと。あっけなく赤山靭負(沢村一樹)が死んでしまいました。あまりにも早くてちょっと残念でした。なかなか好きな俳優さん(イケメンだし。笑)でしたのに。この切腹のシーンに立ち会う鈴木亮平さんの演技はなかなか良かったです。こちらまで悔しさと悲しさがひしひしと伝わってきて、思わず今回はずっと涙してしまいました。

鈴木亮平さんの演技はとても上手いと思うのですが、前回の直虎で高橋一生さんが演じたような不思議な奥深さといいますか、裏表のある想像力を掻き立てるような演技ではないので、どこまで見ている人を惹きつけられるだろうか、というのは気になります。

まあ、西郷さんというキャラがそもそもミステリアスにはなりにくいし、このドラマはそういう方向性じゃないのは重々承知なのですが、ストーリーよりもディテイルというか、会話で成り立つことが多いように感じるこのドラマだと、人物の描写って結構重要じゃないのかな、と思ったりして。ちょっと健全すぎるといいますか、タイトルロールのあの青空のように、ドーン、バーンとしていて、これで女も男も惚れる西郷さんを描ききれるのかしら、と少し思ってしまうのでした。

加えて「熱海殺人事件」の舞台をリアルタイムに観た私にとっては、風間杜夫と平田満の相撲はなんか微笑ましいというか、うれしいんですが、若い人にとってはどうなんだろう、と思ったり。

そして謙さんの斉彬は男前過ぎちゃって、健全過ぎるというか、絵に描いたような立派なお殿様なのですよね。そういう意味では斉興を演じた鹿賀丈史さんの嫌らしい感じが本当に見事というか、また、小柳ルミ子の由羅がとにかく気持ち悪くて面白すぎ(笑)。それにしてもロシアンルーレットが出て来るというのはちょっと驚きました。

涙涙の前半でしたが、ラストで斉彬の行列に歓声が湧き上がるところは、ワクワク感が盛り上がってよかったです。
それにしても、西郷どんって斉彬ぞっこんだったんですね。



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