さるぼぼ母です。
大河ドラマ「西郷どん」第5回「相撲じゃ!相撲じゃ!」のあらすじと感想をご紹介します。
*詳細なネタバレが含まれますのでご注意ください
新薩摩藩主、島津斉彬公の誕生。城下では御前相撲が行われることになる。
嘉永四年(1851年)、ついに島津斉彬(渡辺謙)が薩摩にお国入りを果たした。西郷吉之助(鈴木亮平)をはじめ大久保正助(瑛太)らはついにかなった藩主交替に歓喜の声を上げた。斉彬が藩主になることで、何もかもが一新されているという空気に満ちあふれていた。
吉之助の元に御前相撲の知らせが入った。気合が入る吉之助たちの前に岩山糸(黒木華)が謹慎中の正助に勉強のための紙を持ってやってきた。郷中総出の御前相撲では、一番になったものに米十俵が出るということで、さらに気合が入る吉之助たちだった。
ところがそこに、郷中の仲間が憤ってやって来た。斉彬がお由羅(小柳ルミ子)におもねった者たちに対しての何の処罰もしないだけでなく、斉彬のために処罰を受けたものの赦免もないと言うのである。それでは喜界島に島流しになった正助の父、大久保次右衛門(平田満)も帰ってくることができない。しかも、それを宣言したのが斉彬本人だというのだった。
斉彬が前藩主斉興の体制を維持すると聞き、御前相撲で優勝して直に斉彬に赦免を乞うことを決心する吉之助
斉彬は、敵対していた父、前藩主島津斉興(鹿賀丈史)に重く用いられていたものに対し、仕返しをするどころか、よく尽くしてくれた、とその体制を変えずにその労をねぎらったのだった。
「それでは、赤山先生(沢村一樹)が浮かばれません」と糸は涙ぐみながら言った。
「何であの方に仕えた父上が許されないのか」と正助も憤りの声を上げた。
それを聞いて吉之助は言った。
「殿に直訴する。御前相撲で必ず勝ってお目通りし、殿のために尽くしたものたちの赦免を乞う。あの方なら必ず俺たちの気持ちに答えてくれるはずじゃ」
そして、さらに鍛錬すべく相撲の稽古に励んだ。
その頃、斉興は由羅と一緒に将棋の駒で退屈そうに遊んでいた。そこに斉彬と弟の島津久光(青木崇高)が現れ、二人に御前相撲をするから見物に来ないか、と誘うが斉彬が気に入らない二人はその申し出をけんもほろろに突っぱねるのだった。
「主ともなれば、できるだけ多くの藩士たちと触れ合いたいと」と言って斉彬がその場を去ると、久光は二人に斉彬が斉興の政治体制を3年は変えないと言っていたと伝えたが、二人は斉彬が重臣たちの顔色を伺っているだけだと決めつけた。
父の上役の息子、海老原重勝から見初められて縁談が持ち上がる糸
その夜、糸の身の上に縁談という思わぬ一大事が起きた。糸の父である岩山直温の上役である海老原の長男が赤山の元にいた糸を見初めたというのである。
糸は思い悩み、橋の上から下駄を蹴り上げた。
「表が出たら嫁にいく。裏が出たら...」と蹴り上げた下駄は空高く飛び、橋の下に落ちたと思った途端、橋の下にいた誰かの頭に当たったらしく「痛!」という声がした。
何と糸の下駄に当たったのは、吉之助だった。
糸の下駄が片方しかないのを見た吉之助は、糸に自分の草履を履かせたが、その草履はあまりに大きすぎて足に合わなかった。
「大きか〜!」と走り出した糸は転び、その糸をおぶって歩く吉之助だった。
その様子を見ていたのは、糸の縁談相手である海老原重勝だった。
糸の縁談話を聞いて動揺する正助。吉之助は糸を渡すべきではないと正助を説得するが
糸を連れて正助の元に帰った吉之助を待っていたのは、自分が相撲の総代になると宣言している村田新八(堀井新太)だった。自分が総代となって斉彬に自分が赦免を乞うと意気込む新八と吉之助は相撲で勝負をするが、なんと負けてしまうのだった。
「新八どん、勝ってみんなで正助どんと次右衛門殿の事を訴えようぞ」と吉之助は言った。
糸がいるのを見て、吉之助の祖母のきみ(水野久美)が糸が海老原重勝との縁談が持ち上がってると皆に話す。糸の縁談と聞いて、顔色を変える正助。
吉之助は糸にお祝いを言うが、顔を曇らせる正助を見て、なぜ祝ってやらないと不思議がるのだったが、その次の瞬間、正助が糸の事を好いているためだと気がつくのだった。
それを気がつかないのは、吉之助だけだった。
吉之助は下駄をなくした糸のために草履を編んでいたのだった。吉之助が編んだぴったりの大きさの草履を履いてにっこりとする糸だったが、その頃、吉之助は正助に糸が好きだったら、糸を止めて奪えと進言する吉之助だった。
しかし、謹慎の身だから自分は糸には相応しくない、という正助。それを聞いて悔しがる吉之助。
海老原は別の郷の筆頭として御前相撲に出るから、何がなんでも勝って、海老原が糸に相応しいかどうか確かめてやれ、と吉之助は言った。仲間たちはこれほど足繁く正助の元に通っている糸もきっと正助を好いているだろうというのだった。
その夜、吉之助は母が父になぜ嫁いだかを尋ねるのだった。良い人だという噂を聞いたという母に、実は満佐(松坂慶子)が気に入って、何とか嫁に来てほしいと自分が吉兵衛(風間杜夫)の良い噂を流したのだと告白するきみ。
「なんでそんな話をするのか?お前も嫁を取りたくなったのか」と吉兵衛は言った。
御前相撲の日、総代として出るはずの新八が腹を壊して代わりに吉之助が出場することになる
そして御前相撲の日がやって来た。ところが総代のはずの新八が厠(かわや)から一向に出てこない。前の晩も力をつけなければ、と食べすぎて腹を下したらしいのだ。
その時、御前相撲を観覧する姫たちが現れた。その中にはのちの篤姫となる於一の方(北川景子)もいた。
島津家の姫様たちの華やかさに大喜びする藩士たち。そして、ついに斉彬が現れた。その姿をじっと見つめる吉之助。
そして相撲が始まった。しかし、新八は腹を壊して出られないという。どちらかが出て欲しいと厠(かわや)に逃げ込む新八の代わりに吉之助が出ることになる。新八が訳あって出られないことを斉彬の前で告げた吉之助は、自分の名を名乗って出場を乞い願う。
「西郷吉之助です」
その名を聞いた斉彬は自分に書状を送ってきたその名を思い出し、出場を許可する。吉之助の評判というのは芳しくなかった。自分の信念を曲げずに上役に歯向かうこともいとわない男という評判だった。
糸の心の内を知ろうと話をしようとする正助だったが、糸の心の中にいた男とは
その頃、糸は吉之助に草履のお礼を持って西郷家を訪れていた。それを見た正助は糸を呼び止めて話を始めた。
「糸さんは心に思ってる人がいるのではないか?それなら嫁に行くのは辞めたほうがいいのではないか?糸さんが思ってる男と一緒になるべきじゃないか」と正助。
「そう思われますか?」と糸。
「ひょっとしたら、その男は?」と正助は糸の心の内を探ろうとするが、草履を見て思い出し笑いをする糸を見て、糸が思っているのが吉之助だということに気がつく正助。
「面白か人じゃ。吉之助さんは」と笑う糸の幸せそうな顔を見て戸惑う正助。
相撲を認められた吉之助は勝ち上がり、海老原重勝にも勝って優勝する
吉之助の勝負が始まった。吉之助の様子を身を乗り出してみていた於一の方は、思いの強い男が勝負では勝つ、自分は西郷に賭ける、と菓子を賭けて吉之助を応援するのだった。
吉之助は順調に勝ち上がり、最後の一番は、糸の縁談相手である海老原だった。左の足首を傷めている海老原の足を狙えという仲間を制して、吉之助は勝負に出る。
斉彬は於一に自分と勝負を賭けないかと誘った。
「私が賭ける相手は、決まっております。あの西郷吉之助に」と於一は言った。
海老原が負傷しているので吉之助がわざと負けるのではないかと心配していた見物人の心配をよそに、吉之助は見事勝利した。
「まことによか相撲を見せてもらいました。胸がすーっとしました」と於一。
斉彬は優勝した吉之助に相撲の勝負を挑むが、吉之助は斉彬を投げ飛ばしてしまう
「そなたの勝ちじゃ」と斉彬は言い残して西郷の元に行き、こう言った。
「西郷吉之助。良き相撲であった。次はわしが相手じゃ。遠慮はいらん」
そう言って着物をはだけた斉彬を見て、吉兵衛は言った。
「勝ってはならん。吉之助。首が飛ぶ」
於一は「行け、西郷!」と叫んでいた。
家に戻ってきた吉兵衛は、新八の代わりに吉之助が出て勝った、と語った。しかし、吉二郎(渡部豪太)は泣きそうな顔で言った。
「兄様、切腹しなければいかんかもしれん」
その場にいた皆が驚いた。「せ、切腹?」
「あん馬鹿。殿様と相撲を取りおって」と吉兵衛。
斉彬と相撲を取った吉之助は組み合った。勝ってはならん、と吉兵衛は叫んでいた。
しかし、吉之助は斉彬を投げ打った。
吉之助に斉彬は一礼をして、言った。
「皆の者、大義であった」
そう言って去っていく斉彬の背中を皆が呆然と見つめた。糸はその話を聞いて駆け出した。
吉之助は牢に入れられてしまった。
そして、その牢にはすでに先客となる男がいた。そのものは何者か不明だった。
さるぼぼ母の感想
斉興の血も涙もない粛清から一転、藩内は斉彬の新しい方針を心待ちにしますが、斉彬は自分に親しいものたちの恩赦を実行しないことで、父をないがしろにしないという態度を明らかにします。
名君と謳われた斉彬の政治手法なのでしょう。敵となるべき人間を作らないように、今までの君主に仕えたものたちにもねぎらいの気持ちを表す、という。そして、藩士たちと触れ合うための相撲を行う、というなんとものどかな回でした。
糸に恋心を抱いている正助の気持ちに反して糸が吉之助を思ってることは明らかになり始めました。しかし吉之介の3人目の妻となった糸ということですから、二人はすんなりと結ばれたわけではなかったのでしょう。ここから「男にも女にももてる西郷どん」の片鱗が見え始めます。
前回も書きましたがちょっと明るすぎて飽きちゃうんじゃないの?という心配をよそに、まったくもう健全な吉之介の様子。若干少女漫画めいていた「直虎」に比べ、もしかすると若い女性の視聴者は減ってるのかな、と心配したり。
ここで注目は初登場ののちの篤姫こと於一の方。宮崎あおいさんが演じた篤姫が強烈な印象として残ってる私も北川景子さんが演じる篤姫がどんな篤姫になるのか興味津々です。
どうも篤姫は西郷に最初から特別に関心を示していたんですね。そして、そして西郷どんが入れられた牢(どんな理由で斉彬が入れたのかはおそらく次回)に最初から居たなぞの男は一体?男を演じる劇団ひとりさんの演技もちょっと楽しみです。
しかし、今回視聴率は15.5%と前回の14.8%よりアップとのこと。それを報じたサイトには脚本の中園ミホさんが
「原作に師弟愛、男女の愛、ボーイズラブまでラブストーリーがちりばめられています」
と言ってると書いてあるのを見て仰天。あー、ボーイズラブですか。普通の恋愛じゃなくて。
そういうところに一筋縄ではいかない原作者と脚本家の策略が仕込まれてるんですかね。なーるほど。あー、こりゃ、ちょっと斜めに見ないと面白くないかも、と思った朝でした。
「西郷どん」の見逃し配信はU-NEXTで。
31日間無料トライアルで今すぐ見たかった放送回をチェック!