良い本を読んだので紹介します。
『マリス博士の奇想天外な人生 』(ハヤカワ文庫)
目次を紹介します。
1デートの途中でひらめいた!
2ノーベル賞をとる
3実験室は私の遊び場
4OJシンプソン裁判に巻きこまれる
5等身大の科学を
6テレパシーの使い方
7私のLSD体験
8私の超常体験
9アボガドロ数なんていらない
10初の論文が《ネイチャー》に載る
11科学をかたる人々
12恐怖の毒グモとの戦い
13道との遭遇
14一万日目の誕生日
15私は山羊座
16健康狂想曲
17クスリが開く明るい未来
18エイズの真相
19マリス博士の講演を阻止せよ
20人間機械論
この本の白眉は第18章「エイズの真相」。
マリス博士「HIVに根拠なし」を知る
赤十字が採集する献血血液中に血液中にレトロウィルスが潜んでいないかどうか、それをPCRで検出する方法を開発しようとしていたマリス博士は、経過報告書類の作成中にエイズの原因とされているHIVウィルスについての根拠となる論文を探すのだが、そんなものは存在しないことを知る。あるのは医学者向けの広報雑誌に掲載された発見報告のみだった。
1984年にそれぞれ独立にエイズはレトロウィルスHIVが原因だ、と発表したのがフランス、パスツール研究所のリュック・モンタニエ博士とアメリカ国立衛生研究所のロバート・ギャロだが、彼らふたりともその根拠となる実験を記した論文を発表してはいなかった。
ある晩、車を飛ばしているとラジオからバークレーの著名なウィルス学者であるピーター・デューズバーグの声が聞こえてきた。そのときにマリス博士ははじめて、エイズ関連論文の真実を知ることになる。
ピーター・デューズバーグは語っていた、そんな論文はひとつも存在しないのだ、と。
エイズの原因としてHIVウイルスが提唱されていたときに、デューズバーグは第三者的な見地から、そのウィルスとエイズの発症については十分な根拠がない、と鋭い指摘をした。だが彼の指摘は学会から無視された。やがて研究資金を絶たれ、学会から抹殺されることとなる。
マリス博士によるデューズバーグの紹介
彼はある一つのヌクレオチドから突然変異を見つけた。それは後に腫瘍形成遺伝子と呼ばれるようになったものだ。デューズバーグは一つの仮設を立てた。このヌクレオチドの突然変異がウイルスによって人体内に運ばれ、それががんを引き起こすのではないか? このがんウイルス仮説は当時の学会に受け入れられ、「がん戦争」というスローガンでその後の各種研究の原動力となった。
しかしデューズバークは自分の名誉には満足せずに、自分の考えを推し進めていった。彼は自分の理論に誤りを発見した。
そしてそれを証明することに取り組み始める。彼はがんウイルス説を放棄したのだ。
「がん戦争」の研究者たちは、保身からか、あるいは自分の誤りに気づかなかったからなのかはわからないが、提唱者自身が破棄したこの癌ウイルス仮説に基づいて研究を進めて十数年を無駄に費やした。そして研究の成果が出ないと見るやいなや、なんと彼らは本家本元のデューズバークを非難し始めたのだった。
ロバート・ギャロ登場
ここで、いまも新型コロナでアメリカの疫学者たちの頂点に立っている問題の人物、ロバート・ギャロが登場する。
デューズバークとギャロは国立がん研究所の同じ部局で研究をする仲間だった。ギャロは日本の成人T細胞白血病ウイルスと弱い相関があるだけの無害なレトロウイルスを追いかけていたりとほぼ実績のない科学者だったのにもかかわらず、権力構造のなかを渡り歩く才にはたけていた。
エイズが社会の表に現れたときに、保険教育福祉長官のマーガレット・へkラーがギャロに近づいてきた。そしてギャロは、自分の出世のためにエイズのウイルス起源説を唱えたのだった。ギャロとヘクラーとは、1984年に、ワクチンや治療薬がここ2、3年中に開発されるだろうと予言した。
レーガン政権はエイズ対策に10億ドルの支出を決定した。これまでがん研究を手掛けていた学者たちは一斉に「エイズ研究者」と自分の看板をかけ変えた。
あるウイルスがエイズの原因であるとして、ヒト免疫不全ウイルス HIV と名付けれらた。
この本の白眉は第18章「エイズの真相」だ。
赤十字が採集する献血血液中に血液中にレトロウィルスが潜んでいないかどうか、それをPCRで検出する方法を開発しようとしていたマリス博士は、経過報告書類の作成中にエイズの原因とされているHIVウィルスについての根拠となる論文を探すのだが、そんなものは存在しないことを知る。あるのは医学者向けの広報雑誌に掲載された発見報告のみだった。
1984年にそれぞれ独立にエイズはレトロウィルスHIVが原因だ、と発表したのがフランス、パスツール研究所のリュック・モンタニエ博士とアメリカ国立衛生研究所のロバート・ギャロだが、彼らふたりともその根拠となる実験を記した論文を発表してはいなかった。
ある晩、車を飛ばしているとラジオからバークレーの著名なウィルス学者であるピーター・デューズバーグの声が聞こえてきた。そのときにマリス博士ははじめて、エイズ関連論文の真実を知ることになる。ピーター・デューズバーグは語っていた、そんな論文はひとつも存在しないのだ、と。
エイズの原因としてHIVウイルスが提唱されていたときに、デューズバーグは第三者的な見地から、そのウィルスとエイズの発症については十分な根拠がない、と鋭い指摘をした。だが彼の指摘は学会から無視された。やがて研究資金を絶たれ、学会から抹殺されることとなる。
【マリス博士によるデューズバーグの紹介】彼はある一つのヌクレオチドから突然変異を見つけた。それは後に腫瘍形成遺伝子と呼ばれるようになったものだ。デューズバーグは一つの仮設を立てた。このヌクレオチドの突然変異がウイルスによって人体内に運ばれ、それががんを引き起こすのではないか? このがんウイルス仮説は当時の学会に受け入れられ、「がん戦争」というスローガンでその後の各種研究の原動力となった。
しかしデューズバークは自分の名誉には満足せずに、自分の考えを推し進めていった。彼は自分の理論に誤りを発見した。そしてそれを証明することに取り組み始める。彼はがんウイルス説を放棄したのだ。
「がん戦争」の研究者たちは、保身からか、あるいは自分の誤りに気づかなかったからなのかはわからないが、提唱者自身が破棄したこの癌ウイルス仮説に基づいて研究を進めて十数年を無駄に費やした。そして研究の成果が出ないと見るやいなや、なんと彼らは本家本元のデューズバークを非難し始めたのだった。
ここでいまも新型コロナでアメリカの駅学者たちの頂点に立っている問題の学者、ロバート・ギャロが登場する。
デューズバークとギャロは国立がん研究所の同じ部局で研究をする仲間だった。ギャロは日本の成人T細胞白血病ウイルスと弱い相関があるだけの無害なレトロウイルスを追いかけていたりとほぼ実績のない科学者だったのにもかかわらず、権力構造のなかを渡り歩く才にはたけていた。エイズが社会の表に現れたときに、保険教育福祉長官のマーガレット・へクラーがギャロに近づいてきた。そしてギャロは、自分の出世のためにエイズのウイルス起源説を唱えたのだった。ギャロとヘクラーとは、1984年に、ワクチンや治療薬がここ2、3年中に開発されるだろうと予言した。
レーガン政権はエイズ対策に10億ドルの支出を決定した。これまでがん研究を手掛けていた学者たちは一斉にエイズ研究者と自分の看板をかけ変えた。
あるウイルスがエイズの原因であるとして、ヒト免疫不全ウイルス HIV と名付けれらた。
デューズバーグはこの新しいウイルスとエイズ発症との間には十分な証拠がないと指摘したが、無視された。
学術誌の編集者は彼の論文を掲載しなくなり、ついにはデューズバーグへの研究資金が絶たれた。これは「優れた科学者への無礼な愚挙」であるとマリスは怒りを抑えきれない。
HIVはどこにでも存在する無害なレトロウイルスに過ぎない。ずっと昔からこの地球上に存在し、母子で移行することも判明している。
CDC(米国疾病コントロールセンター)はエイズの症例をどんどん増やしていった。意図的に統計を操作して、この病気が広がり続けているかのように見せかけたのだ。
エイズの原因は結局誰にもわからないのだ。
だが、ある人間が複数の人間と非常に親密な接触をするなら、この人間の免疫疫系が処理しなければならない感染性病原体の数は増える。体液の交換、放蕩な生き方、麻薬を分かち合い、都会に生息する。
エイズとは、ある生活スタイルの人々が不運にも病気になってしまったというだけの話だ。一方我々の社会の一部の人間たちは、この他人の不幸を好機と捉えた。癌戦争にやぶれた医者たち、研究者たち。エイズが彼らの飯の種となった。彼らは我々の税金から給料をもらい、高級車に乗っているのだ。
ー以上がマリスによるエイズウイルス捏造への弾劾文章の要約である。